Compact digital camera to buy now今が“買い”の賢い選択肢
高級コンデジの魅力
コンパクトデジタルカメラ(以下コンデジ)のハイエンドモデルである「高級コンデジ」が注目を集めています。スマートフォンのカメラで撮影するような手軽さがあり、一眼レフやミラーレスのカメラ機能に匹敵するほどの性能をもつ高級コンデジは、カメラ上級者はもちろん、操作のしやすさから入門者にもおすすめのモデルです。人気家電量販店のカメラ担当者とプロ写真家に、今が“買い”の最新モデルと撮影が楽しくなるポイントを教えてもらいました。
高級コンデジならではの魅力
まず、今が“買い”のモデルについて話を聞いたのは、関西、東海、関東を中心に家電量販店「ジョーシン」とECサイト「Joshin webショップ」を展開する上新電機の商品部 A&Vグループ カメラ担当・金島大さんです。コンデジの魅力、ジョーシンの売れ筋モデルとその理由についてうかがいました。
「ジョーシン」でのお買い物はこちらもお得です。
https://www.ts3pum.com/shop/5/
「コンデジの魅力は、携行性に優れていることはもちろん、スマートフォンよりも明るくボケ味(※)のある写真を撮影できるところです。デジカメの“目”といわれているイメージセンサーは、そのサイズが大きくなることで取り込む光の量が多くなり、画質がよくなります。スマートフォンや一般的なコンデジのセンサーサイズは1/2.3型がほとんどですが、高級コンデジになると光量が多い1.0型以上が主流なので、よりボケ味のある写真を撮ることが可能になります。さらに暗いシーンでも鮮明に撮影できることもポイントです」
※撮影した際のボケを活かすために、レンズの絞りを開いて撮影した写真の、ピントの合った被写体の前後にできる「ボケ具合」のことです。
優れた望遠機能も高級コンデジの強みだと金島さんは続けます。
「近年のスマートフォンのカメラでも十分にきれいな画質で撮影できますが、ほとんどの機種の望遠機能は画質の劣化につながるデジタルズームです。一方で高級コンデジは、画質を劣化させずに望遠することができる光学ズームを搭載しているモデルが多く、中には一眼レフでも高価なレンズでないと実現できないような望遠機能を搭載した高級コンデジもあります」
今、高級コンデジは、最新モデルだけではなく、ひと昔前のヴィンテージモデルも人気が高まっているとか。
「若者を中心に、オールドコンデジの人気も再燃しています。その理由は、現在のスマートフォンのきれいな写真とは異なる『画素数の低さがエモい』という新しい価値を見出していること。叙情的な写真が撮れるオールドコンデジにも注目が集まり、中古価格が高騰しています」
次に、今が“買い”の高級コンデジを金島さんのコメント付きでご紹介します。
今が“買い”の高級コンデジ5選
ソニー
DSC-RX100M7
「ソニー Cyber-shotのRX100は、コンデジの中でも上位クラスで、全モデルで1.0型の大型センサーが搭載されています。こちらは、最新の画像処理技術でシリーズ最速の圧倒的なスピード性能を実現したモデル。高速性と追随性に優れた像面位相差検出AF方式と、高精度なコントラスト検出AF方式を併用する『ファストハイブリッドAFシステム』や人物と動物の瞳にピントを合わせる『リアルタイム瞳AF』、広角24ミリから望遠200ミリ(※1)までをカバーする『ツァイス バリオ・ゾナーT*レンズ』などを搭載し、最大4.0段(※2)の補正効果を実現した光学式手ブレ補正機能など、機能性の高さが魅力です」
※1)35ミリフィルム換算
※2) CIPA規格準拠、Pitch/Yaw方向、200mm(画角35mm判相当)時
●参考リンク
https://www.sony.jp/cyber-shot/products/DSC-RX100M7/
ソニー
DSC-RX100M5A
「M7の前年にリリースされたモデル。開放F1.8-2.8の明るい標準ズームレンズは、広角24ミリから中望遠70ミリ(※)までをカバーする、『ツァイス バリオ・ゾナーT*レンズ』を搭載し、高い描写性能を実現しています。コンパクトカメラながらもワンプッシュでアクセスできる収納式かつ235万ドット相当の有機ELを採用した収納式有機ELファインダー『XGA OLED Tru-Finder』などM7同様の機能も搭載されています」
※35ミリフィルム換算
●参考リンク
https://www.sony.jp/cyber-shot/products/DSC-RX100M5A/
ソニー
VLOGCAM™ ZV-1M2
「VLOGCAM™は、写真も動画も1台で直感的な撮影を可能にします。こちらは広角18ミリから中望遠50ミリ(※1)までカバーするズームレンズ一体型のモデル。特に動画性能は充実しており、主役の人物を際立たせた印象的な撮影ができる『背景ぼけ切り換え』や顔から商品、商品から顔へのピント合わせがスムーズになる『商品レビュー用設定(※2)』など機能が充実しています。さらに、オート時にカメラが人物の顔や物を認識して自動的に内蔵マイクの指向性を切り替える(※3)『インテリジェント3カプセルマイク』など高い音声機能も搭載しているのも魅力です」
※1 35ミリフィルム換算
※2 被写体認識が[切]に、フォーカスエリアが[ゾーン]に設定されます
※3 撮影設定によって指向性が固定されることがあります
「VLOGCAMは、高画質のVlog撮影に特化したシリーズです。こちらは広角18ミリから中望遠50ミリまでカバー(※)するズームレンズ一体型のモデル。主役の人物を際立たせた印象的な撮影ができる『背景ぼけ切り換え』や顔から商品、商品から顔へのピント合わせがスムーズになる『商品レビュー用設定』など映像機能が充実しています。さらに、オート時にカメラが人物の顔や物を認識して自動的に内蔵マイクの指向性を切り替える『インテリジェント3カプセルマイク』など高い音声機能も搭載しているのも魅力です」
※35ミリフィルム換算
●参考リンク
https://www.sony.jp/vlogcam/products/ZV-1M2/
RICOH
GRⅢ
「ミラーレスでも採用されているAPS-Cサイズの大型イメージセンサーを搭載し、有効画素数が約2,424 万画素もあるのが大きな特徴です。独自の信号処理技術が可能にしたISO 102400の高感度が、全感度域において優れた解像感や色再現性を実現しています。さらに露光中にイメージセンサーを微小駆動させることで偽色やモアレを抑制するなど、独自の優れた機能でプロのような写真が撮影できます」
●参考リンク
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/gr-3/
Canon
PowerShot G7 X MarkⅢ
「CanonのPowerShotはコンデジの定番シリーズで、その中でもGシリーズは、ハイエンドな高級コンデジです。G7 X MarkⅢは、Canon初となる『1.0型積層型CMOSセンサー』を搭載し、高感度化を実現したモデル。広角から望遠まで高画質の焦点距離は24-100ミリで幅広い撮影領域(※)を実現しています。AF/AEスピードと追従性を最適化した『Video Blog』撮影モード機能もあり、次々に変わるシーンでもしっかりピントが切り替わり、快適に動画撮影もできます」
※35ミリフィルム換算
●参考リンク
https://personal.canon.jp/product/compact-digital-camera/powershot/g7xmk3
プロ写真家が語る高級コンデジのポイント
写真家の上樂博之さんに、前述のソニー「DSC-RX100M7」を実際に試用していただき、プロならではの視点で、高級コンデジの魅力をうかがいました。
「初めて使いましたが、印象に残ったのは、まずミラーレス一眼と大差ないシャープさ、そしてボケ味の豊かな表現力です。スマートフォンで撮った写真は、プリントすると仕上がりが粗いですが、高級コンデジの性能なら額に入れて飾ることができるほどのクオリティの写真も撮影できますね」
「一眼タイプと同様にファインダーがあるので、画面構成に集中できるのも魅力。モニターがチルト(上下に可動する)のでローアングルでの撮影も容易にできます。また、ISO、シャッタースピード、絞りといった露出設定をすれば、暗い場所でもきれいな写真を撮影することができるのも、一眼タイプとまったく同じ。使いこなせば写真表現の幅がぐんと広がります」
「4Kの動画撮影ができることもすごい。フレームレート(※1)も24fps、30fps、60fps、120fpsまで幅広く、シネマティック(※2)な雰囲気の写りからテレビのようななめらかな動きまで、幅広く撮影できる機能には本当に驚きました。コンパクトな分、機動力が上がり体力的にも優しいので、日々の散歩や旅行先でも写真だけでなく、ムードのある動画まで撮影が可能です」
※1:1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示す単位。数値が高いとなめらかな動画になる。
※2:自動でボケ味やピントを調節して映画のような雰囲気に撮影できること
高級コンデジを選ぶ際は、何より一眼タイプと遜色ない操作性が大事だと上樂さんは続けます。
「ISO、シャッタースピード、絞りの設定を瞬時に変えられるかが大事です。これからの時代は4K対応が必須なので、4K撮影ができるタイプをおすすめします」
日常を彩る簡単撮影テクニック
このほかに、料理と人物撮影でより魅力的な写真が撮れる簡単なテクニックを教えていただきました。
「料理を撮影する場合、内蔵ストロボは使用せず、逆光気味の場所から自然光を当てるのが理想です。直射日光で影が強い場合は、コピー用紙などでいいので白い紙をその場所に置くと、影が弱くなります」
「人物撮影の場合も、ストロボを使うと顔に光が当たって反射することが多く、自然光での撮影がおすすめです。レフ板(※)などを使うと効果的ですが、ない場合も、床やテーブルが白い場所で撮影するだけでもだいぶ違います。逆光で人物撮影をする際も同じで、壁や地面が白い場所で撮影すると人物が黒く潰れません。また、ボケ味を表現したいときは、広角ではなく望遠にして撮影してください」
※撮影の被写体に光を当てるための板のこと
「使った感想としては、写真、動画ともに一眼タイプと遜色ない機能性の高さに驚きました。一眼レフは大きくて重い分、持ち運びにはカメラバッグがマストですが、当然荷物としてかさばります。その点、コンデジはポケットにも入るコンパクトさで、常に首や肩にかけていても疲れない。高級コンデジは、スマートフォンよりワンランク上のカメラライフが気軽に楽しめる“小さな巨人”だと思います」
●取材協力
写真家
上樂博之さん
1978年生まれ。岐阜県出身、神奈川県在住。広告や雑誌、WEBサイトなど多彩な媒体で活躍しながら、人と自然のつながりの中で生まれる意識をテーマに作品を制作。「第36回國美藝術展」佳作、「第3回枕崎国際芸術賞展」入選、「WATOWA ART AWARD 2023」入選など受賞歴多数。
https://joraku.info/profile-2/
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