The charm of seafood bowl時間をかけてでも行きたい!
漁港直営&直送の食堂で味わう豪華海鮮丼

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あふれんばかりに盛られた旬の魚や貝など。漁港から水揚げされたばかりの鮮度抜群の魚介類を使った海鮮丼は、豪華な見た目を裏切らない美味が最大の魅力です。全国には、漁港直営の食堂やレストランが多く点在しています。店舗や季節ごとに異なる旬の魚介類をふんだんに使った「傑作」海鮮丼をご紹介します。あわせて、地元の有名店を筆頭に鮮度の高い魚介類を扱う店を見極めるポイントも伝授します。

食材の鮮度にこだわりを持つ店の海鮮丼が
本当においしい理由

新鮮でリーズナブル。漁港直営の食堂は各地の“港の台所”

頬を撫でる風が少しずつ冷たくなっていく季節。海水温も下がりはじめ、魚たちがその身に栄養を蓄えることから、秋から冬は特に魚介類が美味しいシーズンといわれています。

魚好きにとって時間をかけてでも訪れたいのは、各地に点在する漁港直営の食堂やレストラン。水揚げされたばかりの魚介類を楽しめるとあって、地元の人はもちろん遠方からも多くの人が訪れます。

それでは、全国各地で楽しめる「傑作」海鮮丼を扱う店舗を見ていきましょう。

朝獲れの魚をそのままテーブルに!
ほかでは真似できない、漁港直営&直送のクオリティ

朝獲れの新鮮な魚を漁師料理でいただく
「保田漁協 ばんや(千葉県・保田)」

千葉県は東京湾に面した内房エリア。鋸山で有名な鋸南町には、保田(ほた)漁港があります。クルージングや釣りを楽しめることで有名で、近くには海水浴場もあり、地域一帯がレジャースポットとして親しまれています。

この漁港で獲れるのはアジやサバなどの青魚がメイン。「季節にもよりますが、脂が乗っていて、煮付けや干物にすると絶品です(鋸南町保田漁協・担当者)」というように、秋から冬に味わえる海の幸が豊富です。

保田漁業協同組合が直営する「保田漁協 ばんや」は、朝獲れの魚をふんだんに使った漁師料理が楽しめるお店。仕込みの状況によって毎日変わるメニューにわくわくする人も多いでしょう。

人気の海鮮丼「大漁御膳」。

「大漁御膳(あら汁・小鉢付き3,190円/税込み)」は穴子やエビ、いくらやサーモン、まぐろなどがたっぷり盛られた海鮮丼。その日の朝に水揚げされた魚はプリプリで、歯応えも抜群です。他にも、特製だれに地魚を漬け込んだ「漁師のまかない丼(1,485円/税込み)」や、厚切りの旬の地魚を堪能する「地魚海鮮丼(1,430円/税込み)」も人気があります。

さんが焼きを筆頭に、土地の名物が豊富なのも魅力。温泉や宿泊施設、おみやげコーナーも併設されており、ドライブで立ち寄るにもぴったりです。

保田漁協 ばんや
千葉県安房郡鋸南町吉浜99-5
電話番号:0470-55-4844(ばんや 本館)
営業時間:平日/9時30分~17時45分(ラストオーダー17時)
土・日曜・祝日/9時30分~19時30分(ラストオーダー18時45分)
※ラストオーダーの時間は日によって変動あり
休み:不定休
駐車場:約200台

中間業者を介さず、産地直送のネタを特別価格で。
「土浦魚市場 魚市場食堂(茨城県・土浦)」

東京からクルマで約1時間。都心からの好アクセスを誇る土浦市は、湖として国内で2番目に面積の大きい霞ヶ浦があり、釣りスポットとしても有名です。

このエリアに民間の水産卸し企業が営む「土浦魚市場」があります。全国のさまざまな産地・市場や商社から中間業者を介さずに直接集荷することで、鮮度のよい魚介類を提供しています。お店では飲食店や小売店などの事業者だけでなく、一般客も魚を買い付けることができます。

市場の中で特ににぎわうのは、新鮮な魚介料理が味わえる「魚市場食堂」です。活気あふれる店内では海鮮丼や刺身、魚の煮付けなどが味わえます。「海鮮丼(1,200円/税込み)」は、エビ、まぐろ、サーモン、イカ、タコなどが盛られた逸品。この味をこの値段で、と驚く方も多いでしょう。その日仕入れたもっともよい魚を使うため、ネタは日によって変わります。

人気メニューの「スペシャル丼」。

魚市場食堂で一番の人気を誇る「スペシャル丼(1,800円/税込み)」は、エビ、ネギトロ、いくら、まぐろ、ホタテなどが贅沢に盛られています。大トロ好きにはたまらない「大トロ丼(2,500円/税込み)」や、いくらがたっぷり乗った「いくら丼(1,300円/税込み)」も見逃せません。

土曜日はなんとまぐろが食べ放題(時価)。まぐろがおかわり自由という破格のサービスで、毎回長い行列ができるほど。ドライブの目的地のひとつとして楽しい時間が過ごせそうです。

土浦魚市場 魚市場食堂
茨城県土浦市中村西根9-3
電話番号:029-841-1313
・食堂営業時間:
平日/10時〜14時、土曜/6時〜14時
・鮮魚販売営業時間:
平日/6時〜9時、土曜/6時〜13時(売り切り次第終了)
休み:日曜・祝日、ほか不定休(祝日は一部営業日あり)
駐車場:平日は約50台、土曜日のまぐろ食べ放題の日は約200台

セリ権を持つから鮮度は圧倒的!
「魚太郎 旨いもの屋台本店(愛知県・知多)」

伊勢湾と三河湾に囲まれた知多半島。日本六古窯のひとつである常滑焼や知多木綿など、ものづくりが盛んな地域です。また、海水浴場や釣りスポットとしても人気があります。豊浜漁港は愛知県内でも最大級の水揚げを誇る大きな港。秋はマダイ、ヒラメ、ワタリガニといった旬の魚がセリに並びます。

この知多半島の南部に位置する美浜町にあるのが、「魚太郎 旨いもの屋台本店」。経営する魚太郎株式会社は、愛知・岐阜に7拠点17店舗の食堂・市場を展開しています。豊浜漁港、片名漁港など主要な港で4つのセリ権を持っているため、その日に獲れた魚介類を店で扱えるのが自慢。「仲卸などの業者を介すると日にちが経過し鮮度が落ちてしまいますが、セリ権を持つ当社は漁港直送で、圧倒的な鮮度を誇ります。海の状況により、水揚げされる魚は多種多様ですが、鮮度がよいからこそ、地元で消費されるような小魚も刺身で提供できます。また、他店では毎日扱うことが難しい天然マダイも、年間を通してほぼ毎日ご用意できます」(同社担当者)。

一番人気の「魚太郎定食(1,848円/税込み)」は、季節の旬の地魚が2~4種類入る海鮮丼で、秋はサワラ、コショウダイ、マアジなど。ご飯とネタが別々に盛られており、刺身定食として食べることもできるほか、ご飯に乗せて海鮮丼に、また知多の海苔に巻いて手巻き鮨としても、さまざまな楽しみ方ができます。

写真はメニューの一例です。

知多はしらすの名産地でもあるため、しらす丼も人気。お店が「圧倒的」と誇る、鮮度抜群の魚介を堪能してみてはいかがでしょう。

魚太郎 旨いもの屋台本店
愛知県知多郡美浜町豊丘字原子32−1
電話番号:0569-82-6188(代表)
営業時間: 平日/10時~16時(LO.15時)、土、日曜・祝日/10時~17時(ラストオーダー16時)
休み:年末年始
駐車場:600台

あふれるネタにびっくり!15種類の魚介が競演する海鮮丼
「舞鶴漁港 新鮮処 魚里(京都府・舞鶴)」

京都・中丹地域に位置し、舞鶴湾に面する舞鶴市。田辺藩の城下町として栄え、現在でも趣のある街並みが残っています。静かな運河の両脇に漁船が並ぶ吉原入江や、桂林寺などの神社仏閣も人気。市内にある舞鶴漁港は、京都府随一の水揚げ量を誇る港で、主にイカ、ブリ、アジ類、サバが獲れ、府内の水産物流の中核を担っています。

西真鶴駅から北東方向にクルマを走らせると、見えてくるのは「新鮮処 魚里(うおり)」。鮮魚店として創業、食事処をはじめて20年になるお店で、セリ権を持つ店主が選び抜いた魚介類をいただけます。

一番人気は「びっくり海鮮丼(1,980円/税込み)」。ブリ、京サワラ、スズキ、ハマチ、イクラ、甘エビなど12~15種類の旬の魚介類が盛られ、この見た目に“びっくり”する人が多いとか。この味を求め遠方から足を運ぶ人も多く、閉店前に売り切れる日も。早めに訪れるのがよさそうです。仕入れ状況によりネタが変わるのも楽しみなところです。

写真は一例

「11月の第1週からはカニが解禁となり、カニ丼も始まっています。2024年もセコガニやマツバガニが本当に美味しいので、ぜひ味わってみてください」(スタッフ)。ほかにも刺身定食や塩焼き、煮付けなどメニューも豊富で、海の幸を存分に楽しめます。

舞鶴漁港 新鮮処 魚里
京都府舞鶴市字福来158-2
電話番号:0773-76-5745
営業時間:11時~14時、17時30分~21時30分(夜は金・土・日曜・祝日のみ)※売り切れ次第終了
休み:水曜
駐車場:20台

潮の香りを感じながら、獲れたての魚介を味わう
「育波漁港 うおたけ鮮魚店(兵庫県・淡路島)」

瀬戸内海に浮かぶ淡路島。淡路島国営明石海峡公園や淡路夢舞台、大観覧車、明石海峡大橋と、見どころが満載です。育波(いくは)漁港は島の西海岸北部に位置し、沖合に瀬戸内海屈指の好漁場を抱えています。釣り好きが集まるスポットとして有名で、神戸からクルマで30分ほどの近距離ながら、シーズンを通して多くの魚種を狙うことができます。

「うおたけ鮮魚店やけんど海鮮どんや」はもとは鮮魚店として創業し、現在は食事処として営んでいるお店。目の前は海という絶好のロケーションを誇り、海風を感じながら新鮮な魚介を味わえます。店内には大漁旗が掲げられ、漁港の食堂らしい雰囲気に期待も高まります。

海鮮丼は並、上、特上の3種。並(2,000円/税込み)はブリ、タイ、ヒラメ、イカ、サーモン、まぐろ、釜揚げしらす、イクラ、タチウオなどが乗り、上(2,400円/税込み)はこれにサザエが、特上(2,600円/税込み~ ※時価)はエビが加わります。プリプリのタイやタチウオ、磯の香りが漂うサザエ、甘さが広がるしらす……漁港に訪れた醍醐味を存分に味わえる一品です。

写真は海鮮丼の「上」。内容は一例です。

「ぜひ、潮風を感じながら海鮮丼を召し上がってほしいですね。海辺にも行けるので、散歩を楽しむ方も多いですよ」(スタッフ)。漁港の雰囲気を五感で味わってみてはいかがでしょうか。

育波漁港 うおたけ鮮魚店
淡路市育波584-1
電話番号:0799-84-1120
営業時間:平日/11時~14時(売り切れ次第終了)
休み:土・日曜
駐車場:15台

どの店舗も、地域の特色を生かした旬の魚介類がてんこ盛りで、見た目はもちろん味も魅力的な海鮮丼です。お休みの日などに、ぜひご家族や親しいご友人と、ドライブで訪れてみてください。

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