Eating snow crab at a popular inn in Hokuriku冬グルメの王様「越前ガニ」「加能ガニ」を
本場・北陸の名宿で堪能する

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冬の美食を代表するズワイガニ。福井県で水揚げされるものは「越前ガニ」、石川県で水揚げされるものは「加能ガニ」と呼ばれ、漁が解禁される11月6日から翌年3月20日まで、極上の妙味を求めて全国から多くの方が北陸に集まります。この時期にここでしか食べられない味覚の魅力をひもとき、越前ガニ、加能ガニの懐石料理が楽しめる福井、石川それぞれの名宿をご紹介します。

越前ガニの美味しさのヒミツとは

越前ガニは、全国のズワイガニの中でもトップブランドとして君臨しています。その歴史は古く、越前でのズワイガニ漁の最古の記録は安土桃山時代。京都に住んでいた三条西実隆の日記に「越前蟹」と記されていることから、当時すでにズワイガニが漁獲され、京都に運ばれていたと伝わっています。現在は、福井の特産品であり、最高級品は毎年皇室に献上されています。

入り江が複雑に入り組んだ越前海岸。

その美味しさの秘密は、漁場にあります。漁場付近の水深が100、150、200メートルと段々畑のようになっており、ズワイガニが生息しやすく、港まで近いので新鮮な状態で運ばれることが大きな理由のひとつ。さらに、寒流と暖流がぶつかりプランクトンが豊富なエリアで育つので、甘く引き締まった身と濃厚な蟹味噌をぎっしり詰めて成長していきます。

越前ガニは、全国で初めてセリ前のカニにタグを取り付けるブランド化が行われた「タグ付き」ブランドガニの元祖です。はさみの根元に取り付けられたタグに「越前がに」のブランド名と水揚げされた漁港名が書かれているものが本物の証です。さらに、「茹でる前の重さ1.5キログラム以上、茹でた後の重さ1.3キログラム以上、甲羅の幅14.5センチメートル以上、爪の幅3センチメートル以上」に加え、姿形、甲羅の硬さなどの厳しい基準をクリアした越前ガニは「極」という最高級ブランドの称号が与えられます。

越前がによりリーズナブルに味わえる「せいこがに」。

福井では、メスのズワイガニを「せいこがに」と呼び、ほっくりした歯触りと濃厚な旨味が魅力の「内子(うちこ)」とプチプチとした食感の「外子(そとこ)」と呼ばれる卵が人気で、11月6日から12月末まで、漁が解禁される約2カ月楽しめます。

隣の石川県で水揚げされたズワイガニのオスは「加能ガニ(かのうがに)」と呼ばれ、甲羅幅が9センチメートル以上で、身入りのいいものには水色のタグが付けられます。漁が解禁されるのは越前ガニと同じく11月6日から翌年3月20日まで。身はしっとり甘く、爪の部分までぎっしりと身が詰まってるのが特徴で、知る人ぞ知るブランドガニとして近年人気が高まっています。

越前ガニと加能ガニの他にはない美味しさを存分に味わいたいなら、現地での「獲れたて、茹でたて」がおすすめです。それでは、両県で名湯とともにその絶品の味を堪能できる宿をご紹介します。

【参考】
■ふくいドットコム
https://www.fuku-e.com/index.html

■石川県漁業協同組合
http://www.ikgyoren.jf-net.ne.jp

福井を代表する名宿、越前あわら温泉
「伝統旅館のぬくもり 灰屋」で越前ガニを満喫

極上の「タグ付き越前かに懐石」

福井県の越前あわら温泉は“関西の奥座敷”と称され、開湯以来140余年、多くの文人墨客や著名人に愛された温泉郷です。趣向を凝らした湯宿が建ち並ぶ中、「伝統旅館のぬくもり 灰屋」は、明治17年創業の老舗旅館。宮大工が仕立てた格調高いしつらえと細やかなおもてなしといった伝統が今も息づき、モダンなくつろぎも取り入れた名宿はやすらぎに満ちています。

毎年冬に、全国から訪れるリピーターを魅了しているのが「タグ付き越前かに懐石」です。

「タグ付き越前かに懐石」プラン(要予約)の提供は2024年11月11日(月)〜2025年3月20日(木・祝)。画像提供:伝統旅館のぬくもり 灰屋

こちらは、地元福井の海山の恵みをふんだんに使用した郷土会席に加えて、生きたまま仕入れ、当日調理する上質な越前ガニを1杯堪能できる贅沢な特別会席。越前ガニの調理法は、姿のままボイルする「茹で蟹」か甲羅は焼いて足の部分は刺身仕立ての「焼き蟹+蟹刺し」から選べます。

19歳の頃から30年和食一筋の料理人、西野さんは金沢の割烹料理屋を経て「伝統旅館のぬくもり 灰屋」の料理長に就任。

越前ガニならではの魅力を「伝統旅館のぬくもり 灰屋」料理長・西野敏次さんはこう話します。

「越前ガニの特徴は、なにより強いうまみと濃厚な甘みです。弊館では三国港で水揚げされた活ガニを漁師さんから直接仕入れ、館内の水槽で泥を吐かせてから生の状態で調理するので、鮮度と弾力が際立っています。そのままで十分美味しいので、味付けは最小限に。うまみを引き出した越前ガニならではの美味しさを味わってください」

洗練が漂う客室空間と天然温泉の癒し

画像は故高松宮様が命名された「光輪」(定員6名)。
広々とした大浴場から見える庭石が四季のぬくもりを感じさせてくれます。

越前ガニを心ゆくまで味わったあとは、温泉へ。一帯に70を超える源泉がある越前あわら温泉の中でも「伝統旅館のぬくもり 灰屋」は、敷地内の自家源泉からこんこんと湧き出す豊富な天然温泉が魅力。ゆったり浸かれば疲労回復や神経系諸病などの効能や、美肌効果が期待できます。

石川が誇る「加能ガニ」を味わいに
山代温泉の「たちばな四季亭」へ

知られざる至高のブランドガニ

越前ガニと並び冬の北陸の至宝と称されるのが「加能ガニ」です。こちらは石川県で水揚げされたズワイガニのオスで、甲羅が9センチ以上で身入りのいいものには水色のタグが付けられます。冬の限られた時期にしか味わえない加能ガニを心ゆくまで楽しみたい方は、歌人・与謝野晶子や芸術家・北大路魯山人など文化人に愛された山代温泉郷の湯宿「たちばな四季亭」がおすすめです。

「加賀橋立港蟹懐石」の料理イメージ(活造り刺身、焼ガニ、カニすき、香箱蟹は2人盛)。提供は、2024年11月9日(土)~2025年3月20日(木曜・祝日)。画像提供:たちばな四季亭

県内有数の水揚げ量を誇る橋立港から水揚げされた加能ガニを厳選して使用した「加賀橋立港蟹懐石」は、活造りの刺身、メスの香箱蟹(※)、炭火の焼ガニ、カニすき・雑炊と、旬の美味を思う存分味わえる贅沢なコースです。

※1月中旬まで。以降はその月の一品。

味はもちろんのこと、料理の美しさにもこだわる「たちばな四季亭」料理長の春木崇廣さん。

「加能ガニの魅力は、たっぷりつまっている身と濃厚な味噌。うちは痩せているカニは一切使用せず、この懐石に至っては1杯で約900グラム以上の大きな加能ガニにこだわっています」

そう教えてくれたのは「たちばな四季亭」料理長の春木崇廣さん。

「橋立港は漁場から近く、漁に出てから競りに並ぶまでの時間が短いので鮮度のよさも大きな魅力のひとつ。水揚げ量が少なく希少な加能ガニは、特に焼きガニやカニすきで本来の味わいが楽しめますよ」

世界が認めた温泉の癒しとモダンなくつろぎ

男性大浴場。画像提供:たちばな四季亭

「加賀橋立港蟹懐石」とともに享受できるのは、山代温泉でも数少ない源泉を使用した天然温泉です。かつて大正初期にドイツで開催された万国鉱泉博覧会で金賞を受賞した“世界が認めた温泉”は、野趣あふれる露天風呂や御影石の浴槽、デザインタイルをあしらった内湯の大浴場など、趣の異なる空間が魅力です。

伝統工芸のモチーフの中にシーリー社製のベッドやBoConceptのソファを配したモダンな快適空間。写真は2023年3月に誕生した「露天風呂付き和Jr.スイート」。

今がまさに旬の北陸のカニ。この魅力を楽しめる名宿に、この冬ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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