気になるトヨタ車トヨタ博物館で開催中。企画展「30年前の未来のクルマ」 Photos & Text:Daisuke Katsumura

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「未来のクルマはどうなっているだろう?」そんなことを想うだけでもワクワクしてしまうものです。そして今、「トヨタ博物館」で想像力をかき立てずにはいられない展示会を開催していることをご存知ですか。2020年10月11日(日)まで開催中の企画展「30年前の未来のクルマ」です。そこで今回は、トヨタ博物館と「30年前の未来のクルマ」展の魅力を、写真やムービーを交えながら紹介します。

古今東西のクルマ約140台を展示する世界屈指の博物館

トヨタ博物館は、愛知県長久手市に1989年にオープンしました。最大の特徴は、誕生から約100年間におよぶクルマの歴史を体系的に展示している点にあります。つまり、世界のクルマの進化と文化をたどれるわけです。

世界各国のクルマ約140台が並ぶ館内には、世界初のクルマといわれる1886年式ベンツ「パテント・モトールヴァーゲン」(レプリカ)から、2014年式トヨタ「MIRAI」まで、数多くのクルマが実際に走行可能な状態で保存・展示されており、イベント時などには敷地内を走行する姿を見ることができます。

さらにバックヤードにもおおよそ70台の車両を保管しており、約200台を超え所蔵する、まさにクルマの歴史を詰め込んだ屈指の展示施設といえるでしょう。

トヨタ博物館だから開催できる企画展が面白い!

クルマ館で常設展示される歴史的車両を見終えたら、渡り廊下を渡って文化館を訪れてみましょう。文化館にはカフェやグッズショップの他、文化資料を集めたクルマ文化資料室や図書室、そして今回紹介する企画展示室などがあります。

企画展示室では多彩な企画展やイベントを開催しており、普段、常設展示されていない貴重な車両を見ることもできます。現在は、約30年前にモーターショーで展示されたコンセプトカーなどが一堂に会した「30年前の未来のクルマ」展が開催されています(2020年10月11日まで)。

この企画展では、かつてトヨタが夢見た未来を体現したクルマをさまざまみることができますが、なかでも注目したいのが、トヨタが誇るクロスオーバーSUV「RAV4」の展示です。

中央には1989年に東京モーターショーへ出展されたコンセプトカー、左側に初代モデル、右側に現行モデルという3台を並べて展示しています。デザインだけでなく、アウトドアの歴史にも変化を与えたというこの3台。伝えたいメッセージは一体どんなことなのでしょうか? そこでトヨタ博物館の増茂浩之副館長にこの展示のポイントを伺ってみました。

「RAV4」の進化に学ぶSUVの歴史

「世の中がバブル景気で活気付いていた80年代、いわゆる“ハイソカーブーム”で『ソアラ』や『スープラ』が人気を博しました。中央に展示されているコンセプトカー『RAV FOUR』は、そんなバブル絶頂期の1989年に出展。当然ですが、当時のメインストリームとは異なる個性を持ったクルマでした」

これまでになかった“都会的なオフローダー”という新しいジャンルに果敢に取り組んだこのコンセプトカーは、当時としては、かなり実験的な一台だったのです。

「『RAV FOUR』は本格的なクロカン四駆とは違って、山でも遊べるのはもちろんですが、都会にも溶け込むシルエットにすることで、都会から山へ行きスキーを楽しむといった若者たちの新しいニーズを獲得しようとしました。まだSUVという言葉は一般的ではなく、こういったクルマは“RV(レクリエーショナル・ビークル)”と呼ばれましたね」

このコンセプトカーの発表から4年後の1993年の東京モーターショーにプロトタイプを発表し、翌1994年から販売された初代「RAV4」は、コンセプトカーよりもさらに洗練され、丸みのある柔らかいデザインとなりました。

スタイリッシュなうえに、本格的な機構を持つフルタイム4WDというまったく新しいジャンルとなった「RAV4」は、日本のみならず世界中で人気のモデルへ成長し、SUVというジャンルが知れ渡るきっかけを作ったのです。

「好きにまみれろ!」のキャッチフレーズとともに2019年に登場した現行「RAV4」は、歴代5代目のモデルとなります。初代「RAV4」と比較すると、より力強い線で構成されたワイルドな外観と、大型化されたボディであることがわかります。特に写真のAdventureというグレードは、ホイールアーチモールやフロントのスキッドプレートが大型化され、よりオフロード色が強いモデルとなっています。

こうして歴代モデルの順を追うと、「RAV4」がSUVの歴史そのものであることがわかります。ボディデザインは時代とともに洗練されていくものの、“都会的なオフローダー”という基本コンセプトはしっかりと継承していることからも、コンセプトカー「RAV FOUR」がいかに未来を見据えたクルマだったか、見てとれることでしょう。

トヨタ博物館のさらなる魅力に触れられる「スペシャルムービー」

「30年前の未来のクルマ」展は、「RAV4」をはじめ、「セラ」や「4500GT」などさまざまな魅力的、かつ普段は見ることができない貴重なクルマと出会えます。もちろん、常設展示も要チェックです。

ぜひ、トヨタ博物館へ訪れ、80年代から現在、そして未来へと、クルマの進化に思いをはせてみませんか?

RAV4 Specifications
ガソリン車 4WD Adventure

サイズ
全長4,610mm×全幅1,865mm×全高1,690mm
乗車定員
5名
燃料消費率
15.2km/L(WLTCモード)国土交通省審査値
エンジン
型式: M20A-FKS
総排気量:1.986L
最高出力(ネット):126kW(171PS)/6,600r.p.m.
最大トルク(ネット):207N・m(21.1kgf・m)/4,800r.p.m.
メーカー希望小売価格
331万円(税込み)
詳しい情報・お問い合わせ

トヨタ自動車株式会社 お客様相談センター
TEL:0800-700-7700 (全国共通・フリーコール)
受付時間:9:00〜18:00 年中無休
ウェブサイト:https://toyota.jp/rav4/

※「新型コロナウイルス感染症」による影響に鑑みて、4月13日(月)より当面の間、受付時間を下記の通り変更させていただきます。また、お電話がつながりにくい状況となっておりますので、緊急案件のみの受付とさせていただいており、お客さまにはご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。
【通常】9:00~18:00 →【変更後】10:00~16:00

トヨタ博物館

住所:愛知県長久手市横道41-100
TEL:0561-63-5151(代表)
開館時間:9:30〜17:00(入館受付は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始
アクセス:名古屋瀬戸道路「長久手I.C.」より車で約2分
ウェブサイト:https://toyota-automobile-museum.jp/

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