One Plate Breakfast朝の時間を豊かにする
プロ直伝のワンプレート朝食

Lifestyle

脳とからだをしっかり目覚めさせてくれる朝食は、一日を活動的に過ごすための大切なスイッチ。しっかり摂ることで脳にブドウ糖が補給され、朝から高い集中力を発揮することでクオリティ・オブ・ライフが向上します。そこで、企業のレシピ開発を中心に書籍や雑誌など多方面で活躍中の人気料理家・フードコーディネーターの星野奈々子さんに、今注目されている「ワンプレート朝食」のおすすめレシピを教えていただきました。

栄養バランスと華やかさが両立する
ワンプレート朝食の魅力

新型コロナウイルスの影響により在宅時間が増えた中で見直されているのが朝食です。朝食は一日を豊かに過ごす元気の源。リモートワークや通勤レスのワークスタイルが定着することで朝の時間にゆとりが生まれ、きちんと朝食を摂る人が増える中で、「朝食プレート」と呼ばれるワンプレートにさまざまな料理を盛り付けるスタイルはSNSなどで注目を集めています。

イングリッシュ・ブレックファストは卵料理、ベーコン、ソーセージ、トマト、トマトソースで煮込んだ白インゲン豆、ブラックプディングなどが基本

そういったワンプレート朝食の魅力について、料理家・フードコーディネーターの星野奈々子さんはこう話します。
「ひと皿に主食や数種類のおかずがのることで炭水化物、タンパク質、野菜が揃いやすく手軽に栄養のバランスが整えられ、色や形状の異なるものがワンプレートに並ぶことで見た目も美しくなります。また、前日の夕食の残りなど中途半端に余って量が少ないものでも、数種類のせれば形になります。コロナでおかずをみんなでシェアしたり、朝食用の保存容器などを食卓に並べるよりも、ひとりひとりが食べる分をワンプレートにのせるほうが感染予防につながるので、さまざまな面でワンプレート朝食はおすすめです」

暮らしをアップデートするワンプレート朝食レシピ5選

そう話す星野さんにワンプレート朝食を作る際のポイントを聞きました。
「基本的にはパン、おにぎりなどの炭水化物に卵料理やサラダなど、あるものをのせればOK。野菜で赤や緑など鮮やかな色をプラスできると全体が彩り豊かに仕上がります。器は、おかずが数品のる場合は、柄物より無地がおすすめ。特に朝ごはんには白のお皿がよく合います。凝ったものよりも縁にさりげなくラインが入っていたり形が美しいものなど、シンプルなデザインを選ぶとおかずがより引き立ちます」

今回、星野さんに料理ビギナーでもカンタンに楽しめるワンプレート朝食のレシピを教えていただきました。

クロワッサンサンド+グリルドソーセージ・にんじんとオレンジのラペ

「食パンではなく、クロワッサンを使うだけでカフェのようなお洒落なワンプレートになります」

材料(2人分)
[クロワッサンサンド]
クロワッサン…2個、パプリカ(赤)…1/8個、グリーンリーフ…1枚、パストラミビーフ…40g、マヨネーズ・マスタード…各小さじ2

[グリルドソーセージ]
ウインナーソーセージ…4本

[にんじんとオレンジのラペ]
にんじん…1/2本(100g)、塩…小さじ1/4、オレンジ…1個
A(レーズン…大さじ2、米酢…大さじ1/2、オリーブ油…大さじ1/2、こしょう…少々)

作り方
[クロワッサンサンド]
1:パプリカは種を取り、薄切りにする。
2:クロワッサンは半分に切り、オーブントースターで1~2分温める程度に焼く。
3:2の片側にマヨネーズ、マスタードを順に塗り、グリーンリーフ、パストラミビーフ、パプリカの順にのせ、もう片方のパンで挟む。

[グリルソーセージ]
ソーセージは包丁で切れ目を3~4本入れ、コーティングフライパンで焼き色が付くまで焼く。

[にんじんとオレンジのラペ]
1:にんじんは皮を剥いて千切りにし、塩を振って混ぜ、5分ほど置いて軽く水気を絞る。オレンジは皮を剥き、果肉を取り出す。
2:1をボウルに入れ、Aを加えて混ぜ合わせる。

POINT

「パストラミビーフのうまみとマヨネーズとマスタードの重ね塗りで、奥行きのある味わいに。挟むものはパストラミビーフの他、ロースハムや生ハム、ツナなど加熱せずに使えるものが手軽でおすすめ。板チョコを挟んでパン・オ・ショコラにしても」

スペイン風オムレツ

フライパンでそのまま出すと食卓が華やかに

材料(2人分)
ズッキーニ…1/4本、パプリカ(赤・黄)…各1/4個、オリーブ油…大さじ1、トマトケチャップ…大さじ2
A(卵…3個、牛乳…大さじ2、塩…2つまみ、こしょう…少々)

作り方
1:ズッキーニは5mmの半月切りにし、パプリカは千切りにする。
2:直径16cmくらいのフライパンにオリーブ油を熱し、1を入れてしんなりするまで炒める。
3:ボウルにAを入れてよく混ぜ合わせ、2に加える。
4:菜箸で全体を軽く混ぜながら、半熟状になるまで火を通す。
5:弱火にし、フタをして2~3分蒸し焼きにする。ケチャップを付ける。

POINT

「卵の火通り加減はお好みで。レシピでは最後にフタをして蒸し焼きにしていますが、混ぜながら半熟状になった時点で止めてもOKです。最後にピザ用チーズを加えても美味しく仕あがります。その場合は、ケチャップはお好みで量を調節してください」

アップルシナモンパンケーキ

「りんごの他、いちごやブルーベリー、桃、ぶどう、いちじくなど旬のフルーツを添えるとより豪華になります」

材料(直径10cmのもの6枚分)
卵…1個、砂糖…大さじ2、サラダ油…大さじ1、牛乳…100ml、りんご…1/2個、マスカルポーネチーズ…大さじ3~4、ミント…適量、シナモンパウダー…少々
A(薄力粉…100g、ベーキングパウダー…小さじ1、塩…1つまみ)
B(バター…10g、砂糖…大さじ2)

作り方
1:ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えて泡立て器ですり混ぜる。
2:サラダ油、牛乳を加えてさらに混ぜ合わせる。
3:振るったAを加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせる。
4:フライパンにサラダ油小さじ1(分量外)を入れてペーパータオルで薄く延ばし、火にかけて温まったらぬれ布巾の上に置いて冷ます。
5:再び弱火にかけ、3を玉じゃくしで1杯分流し入れる。
6:表面に気泡が出てきたら裏返し、焼き色が付くまで焼く。残りの生地も同様に焼く。
7:フライパンにBを入れて中火で溶かし、りんごをしんなりして焼き色が付くまで焼く。器にパンケーキとともに盛り、マスカルポーネチーズ、ミントを添えてシナモンパウダーを振る。

POINT

「一度温めたフライパンをぬれ布巾の上で冷まし、その後はずっと弱火でじっくりと焼くのがポイント。なかなか火が通らないからと温度を上げたりせず、表面に気泡が出るまで待ってください。また、フッ素加工フライパンの場合はサラダ油は引かなくてもOKです」

野菜と豆のスープ+チーズバゲット

「豆はミックスビーンズを使っていますが、大豆やひよこ豆など好きなものでOKです」

材料(2人分)
[野菜と豆のスープ]
じゃが芋…1/2個、にんじん…1/4本、玉ねぎ…1/4個、プチトマト…6個、セロリ…1/
本、ベーコン(スライス)…50g、ミックスビーンズ(缶詰)…50g、水…300g、塩…2つまみ、こしょう…少々、オリーブ油…大さじ1

[チーズバゲット]
バゲット(厚さ1cmに切ったもの)…4~6枚、粉チーズ…適量

作り方
[野菜と豆のスープ]
1:じゃが芋、にんじんは皮を剥いて3~4mmのいちょう切りにする。玉ねぎは薄切りにする。
2:プチトマトはへたを取って4等分に切り、セロリは筋を取って3mm幅の薄切りにする。ベーコンは5mm幅に切る。
3:鍋にオリーブ油を入れて中火にかけ、1と2を入れて炒める。
4:しんなりしたらミックスビーンズと水を加える。
5:煮立ったらアクを取り、フタをして弱火で10分程煮る。塩、こしょうで調味する。

[チーズバゲット]
バゲットに粉チーズをたっぷりのせ、オーブントースターで焼き色が付くまで2〜3分焼く。

POINT

「スープの素などを使用せず、野菜とベーコン、豆のうまみを味わうスープです。最初に炒めて水分を引き出すのがポイント。野菜が揃わない場合はどれか2種類程度でも十分美味しくできます」

ちりめん山椒おにぎり+かぶと白菜の浅漬け・パプリカのきんぴら

ちりめん山椒を混ぜるだけで朝から少し贅沢な気分が味わえる

材料(2人分)
[ちりめん山椒おにぎり]
温かいご飯…400g、ちりめん山椒(市販品)…大さじ4、青じそ…4枚

[かぶと白菜の浅漬け]
かぶ…1個、白菜…1枚、塩…小さじ1/2、柚子の皮…少々

[パプリカのきんぴら]
パプリカ(赤・黄)…各1/2個、煎りごま(白)…小さじ1、ごま油…大さじ1/2
A(しょうゆ…大さじ1/2、みりん大さじ1/2)

作り方
[ちりめん山椒おにぎり]
1:ご飯にちりめん山椒を加え、混ぜ合わせる。
2:1を4等分にし、ラップの上にのせて包む。
3:ラップごと三角形に握る。ラップを取り、皿に青じそを敷いて盛る。

[かぶと白菜の浅漬け]
1:かぶは皮を剥いて5mm幅のいちょう切りにし、白菜は小さめのざく切りにする。ともにボウルに入れて塩をまぶし、5分程置く。
2:水分が出てきたら水気を絞り、千切りにした柚子の皮を加えて混ぜる。

[パプリカのきんぴら]
パプリカは種を取り、薄切りにする。フライパンにごま油を熱して中火で炒め、しんなりしてきたらAを加えてさっとからめ、ごまを混ぜる。

POINT

「ボウルにご飯と具材を入れて混ぜ、ラップで包むと手を汚すことなく手軽かつ清潔におにぎりが作れます。きんぴらは定番のごぼうやにんじんでもよいですが、パプリカやピーマンなど火が通りやすく彩りのよい野菜を使うと短時間でカラフルなおかずができあがります」

いつもの朝をアップデートしてくれるワンプレート朝食で、1日を贅沢にスタートしてみてはいかがでしょうか。

【レシピ監修】
星野奈々子

料理研究家・フードコーディネーター
慶應義塾大学卒業後、日本IBMにてITエンジニア、マーケティングを担当。会社員として働きながら数多くの料理学校・料理教室に通い、日本IBM退社後にフードコーディネーターとして独立する。現在は企業のレシピ開発を中心に書籍、雑誌、WEB、フードスタイリングを手がける。著書多数。

●公式ホームページ
https://hoshinonanako.com

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