WRC 13rd. RALLY JAPAN 2022 Vol.0112年ぶりにWRCが日本で開催!
フォーラムエイト・ラリージャパン2022の楽しみ方
Text:Daisuke Katsumura

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2022年11月、トヨタ自動車のお膝元である愛知県豊田市などでWRCの最終戦となる「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」が開催されます。そこで今回はラリージャパンをより楽しむための基礎知識から、現在のTOYOTA GAZOO Racingの戦績、さらには観戦方法まで紹介します。

独自のスタイルで争われるWRCシリーズ

世界中を転戦し、アスファルト路面からダート、砂漠、圧雪と、あらゆるシチュエーションのステージでスピードを争う競技が「WRC(World Rally Championship=世界ラリー選手権)」です。ラリー競技は世界中で開催されていましたが、FIAの下に1973年に世界選手権として正式にWRCが発足されました。以降、世界中を転戦するスタイルでシリーズ戦が開催されています。

現在のWRCは、木曜日から日曜日の4日間にかけて設定したコース内の追加スピードを競うSS(スペシャルステージ)を20本程度走ります。このSSとSSの間はリエゾンと呼ばれ、一般車とともに交通法規に従って移動するスタイルが一般的です。クローズドサーキット(=一般車両が入れないサーキット)でスピードのみを争い合うため、他のモータースポーツとはだいぶ競技スタイルも異なることがわかります。

2022年シーズンから大きく変わったレギュレーション

そんなWRCも、サステナブルな世界を目指して大きな転換期を迎えています。2022年シーズンは、これまでトップカテゴリーを飾ってきたWRカーに替わり、ハイブリッドユニットを搭載し、サステナブル燃料を使用するRally1がトップカテゴリーとなり、レギュレーションも一新されました。TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)でも今年の初戦からGR YARIS Rally1を投入し、参戦しています。

ベース車両もGR YARISに変更となり、進化を遂げましたが、これまでよりウイングなどの空力パーツに関する制限が厳しくなり、アクティブセンターデフが廃止されるなど、コスト抑制のために全体的に簡素化されているのが特徴です。エンジンはこれまでの1.6リッターターボユニットに全車共通のハイブリッドユニットを組み合わせ、最大で500ps以上のパワーを発揮します。

●トヨタ車とラリーの歴史の詳しい記事はこちらから。

https://harmony.ts3card.com/general/car/20220325-01/

この新しいGR YARIS Rally1は、今年の1月20〜23日にモナコで開催されたラリー・モンテカルロでいきなり2位フィニッシュしたのを皮切りに、第2戦ラリー・スウェーデンで優勝、第3戦クロアチアラリーで優勝、第4戦ラリー・ポルトガルで優勝、第5戦ラリー・イタリアで5位と好成績を連発。つい先日も6月23〜26日に開催された第6戦サファリラリーケニアで1-2-3-4フィニッシュを飾るなど、今年のTOYOTA GAZOO Racingチームは絶好調。今後のレースの行方から目が離せません。

そんなWRCがついに日本にやってくる

さて、そんなWRCの2022年シーズンは合計13戦が行われる予定となっていますが、そのラストを飾るステージが、なんと日本で行われます。「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」と呼ばれる今シーズンの最終戦は、2022年11月10〜13日まで愛知県の岡崎市、豊田市、新城市、設楽町、そして岐阜県の主戦場で争われることとなります。今シーズンのシリーズタイトルや順位を決する重要なレースが、ここ日本で行われるのです。

※画像は2022年5月に開催された全日本ラリー選手権の模様です

実は2006年、2007年、2008年、そして2010年は北海道でWRCが開催されていました。ところが、2011年は東日本大震災の影響や資金不足から開催を断念。日本開催はしばらく中断の時期に入ってしまいます。その後、2020年に中部地区での開催が決定したものの、コロナ禍のため開催は中止、さらに翌2021年も同様に中止。2022年はそんな2年連続した中止を乗り越えた、待望の開催となるのです。

※画像は2022年6月に開催された全日本ラリー選手権の模様です

すでにサービスパークとして使用されることが決定している、豊田スタジアムの入場券や各SSの観戦チケットが順次発売されています。一般のレースとは異なりサーキット内を走るわけではないため、観客席はなく、ギャラリーは沿道の指定された場所で観戦します。そのため目の前を駆け抜ける迫力の光景を楽しむことができます。また、サービスパークではメンテナンスや故障の修理などをする場面を間近で見ることができるのです。

●詳しい観戦エリアやチケットの詳細はこちらから

https://rally-japan.jp/ticket

日本でWRCが開催されるのは、実に12年ぶりです。実際にレースマシンが駆け抜ける姿を見たいという方や、目の前で行われる迫力の整備作業を見たい方、レースの臨場感を味わいたい方は観戦チケットを入手して生の迫力を体験してみませんか。チケットの詳細は下記のラリージャパンオフィシャルサイトを確認してください。

また、観戦するためのルールやマナーは、観戦エリアや開催国の取り決めによっても異なります。詳しくはオフィシャルサイトなどで更新される情報をチェックして、正しい観戦を行いましょう。

●最新情報などはラリージャパンオフィシャルサイトをチェック!

https://rally-japan.jp/

●TOYOTA GAZOO RacingのWRCスペシャルサイト

https://toyotagazooracing.com/jp/wrc/

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