Mens Grooming“キープスマート”な身だしなみ
今日から始めるメンズグルーミングAtoZ
写真/Ukyo Koreeda
スキンケアブランドが乱立し、急成長を遂げるメンズ美容の世界。商品の選択肢が広がる一方で、どれを選んでいいかわからないという男性も少なくありません。今回は「化粧未満、ひげ剃り以上」をキーワードに、大人の身だしなみを特集します。第一線で活躍するヘアメイク・KUBOKIさんが、肌悩み別のスキンケア法と、今知っておきたいメンズコスメを伝授。あわせて、人気セレクトショップやバーバー活用術もお伝えします。
人気メイクアップアーティストKUBOKIさんに聞く!
肌悩み別スキンケア術
肌のメカニズムを知ってトラブルを未然に防ぐ
かつては肌悩みとは無縁だったのに、年齢を重ねた今、スキンケアの必要性を強く感じているという人は多いのではないでしょうか。昨年行われたTPCマーケティングリサーチの調査では、40歳代男性の約56%、50歳代でも約54%が何らかのスキンケアを行なっていると回答しており、肌ケアに対する意識の高まりがうかがえます。
また、最近はマスクを外す機会が増え、肌を整えておきたいと感じている人も多いでしょう。
その一方で、自分に合ったスキンケアの方法を見極めるのは簡単ではありません。今回は、メンズ美容に詳しいメイクアップアーティストのKUBOKIさんに、肌悩み別のスキンケア術と、メンズコスメのトレンド、おすすめコスメ5選をお伺いしました。
メイクアップアーティスト
KUBOKIさん
都内サロン勤務後、メークアップスクールへ通ったあとにヘアメイクアシスタント経て独立。美容誌だけでなく、さまざまなジャンルで活動の場を置く。タレントからの指名も多い。メンズ美容も得意とし、著書に『男の美容武装』(ワニブックス)がある。ヘッドマッサージサロン『awin』(中目黒)を経営。「メンズ美容=中性的」ではない、男性が男性らしくあれる美容法を提唱している。
「覚えておいてほしいのは、男性の皮脂量は女性の2倍あり、年齢を経ても変わらないということ。一方で水分量は女性の半分しかなく、加齢によって減っていきます。またシェービングで角質が削り取られてしまうので、口元を中心に肌に負担がかかりがち。今のミドル世代は、男性の日焼けが肯定されてきたので、肌老化の危険性もあります。毎日のケアがとても大切です」とKUBOKIさんは話します。
■乾燥肌──オイルを使って肌に「フタ」をする
顔全体が乾燥していて、特にシェービングでヒリつきが出たり、カミソリ負けしやすいのが乾燥肌。シェービングの後は肌に細かい傷が付いているので、水分と油分のケアが必須です。
「おすすめは、こっくりしたオールインワンのあとにオイルを使うこと。水分を最初に肌に入れて、最後に油分で肌をラッピングします。オイルだけでかなり乾燥を防げますが、特に冬にアンチエイジング効果をプラスしたいなら、ベタつきのないクリームを取り入れてください」。
フェイスオイルは、スキンケア用として販売されているものであればブランドは問わないそうです。春〜秋は3滴、冬は5滴程度を目安に、季節に応じて調節するようにしてください。
■オイリー肌──水分不足を化粧水で補う
顔のどの部分もベタつき、ニキビなどトラブルを起こしがちなオイリー肌。「基本的には、肌の水分が足りていないから、肌が『保湿しなければ』と皮脂を出していると考えてください。つまり、脂性肌こそ保湿が必要なのです。仕上がりがサラッとしていて、でも保湿力のある化粧水を使いましょう」。
サラリとした質感のオールインワンか、保湿力のあるミスト化粧水にベタつかない乳液を重ねて、肌の隠れた乾燥を防ぎましょう。
■混合肌──オーソドックスなスキンケアで十分
小鼻や額は皮脂が出やすいのに、頬や口元が乾燥しやすいという混合肌。「大半の男性が混合肌だと思います。混合肌のケアは実はとてもシンプルで、オーソドックスなオールインワンでOKです」。
オールインワンよりも、もう少し自分好みのアイテムを使いたいという場合は、化粧水と乳液で構いません。肌老化やトラブルを防ぐためにも、なるべく日焼け止めを使いたいものです。
「化粧品選びもとても大事ですが、肌の状態は日頃の生活習慣や食生活に大きく左右されます。揚げ物は控える、野菜を多めに食べるなどバランスの取れた食生活を心がけ、睡眠もきちんと取るようにしてください」。
消費者の意識が深化し、選択肢も増加! メンズコスメのトレンドとは
さまざまなブランドがメンズコスメを発売し、急成長を遂げているメンズ美容市場。近年ではどのようなトレンドが見られるのでしょうか。
「ここ数年、メーカーも消費者も意識が変わってきたように思います。メンズコスメを出しているメーカーも、以前は外資が中心でしたが、今は国内ブランドが多くなりました。特に消費者側の意識の変化が大きく、かつては『このブランドを使っているから大丈夫』というような、所有欲を満たすようなコスメを選ぶ人が見られましたが、今はブランドイメージに加え、機能性、効果、使い心地など、より深い部分を追求する人が増えたと感じています。美容意識の深化にともない、商品ラインナップも増加しました」。
コスメ市場のトレンドに、パートナーとスキンケア製品をシェアする「シェアコスメ」があります。年代や性別にとらわれず、さまざまな肌質に使える化粧品も登場しています。
「今の20歳代はともかく、30歳代以上の男性同士がコスメの会話をすることはあまりないでしょう。その意味でシェアコスメは、パートナーから情報を得て、スキンケアに触れるよいきっかけではあると思います。ただし覚えておかなければならないのは、男性と女性では肌質が異なるということ。製品にもよりますが、男性用に設計されたコスメの方が、専門家としてはおすすめしやすいです」。
どのようなコスメであれ、自分の肌質を見極めて使い方を知ることが第一歩であると言えそうです。
KUBOKIさん直伝! 今知っておきたいメンズコスメ5選
「スキンケアに力を入れてみよう」と思ったとき、どのようなコスメを選ぶのがよいでしょうか?
KUBOKIさんが注目するメンズコスメ5選を伺いました。
(1)SHISEIDO メン アルティミューン パワライジング コンセントレート 30mL
7,700円
<特長>
べたつかないみずみずしい使い心地で、アフターシェーブローションとしても快適に使え、ひげ剃り後の肌を整えます。きめを整えてなめらかな肌に導き、乾燥小ジワを目立たなくします(効能評価試験済み)。
<KUBOKIさんコメント>
「自分も愛用しています。エイジングケアや、毛穴対策をしたり肌の色ムラを防いだりという、保湿にとどまらないケアをしたい方におすすめです。オールインワンまたは化粧水のあとにこれを使い、最後にオイルでフタをしてください」。
(2)MOLTON BROWN ウルトラライト バイジ ハイドレイター 100ml
6,050円
<特長>
ノーマル・オイリースキン用の、ライトな感触のフェイス用乳液。肌にすっと馴染み、なめらかでハリのある若々しい肌に整えます。洗顔・シェービングの後にこれ1本だけで済む、オールインワン設計です。
<KUBOKIさんコメント>
「男性はベタベタした質感が苦手な人が多いと思うのですが、これは非常に軽い使い心地ですので、使いやすいです。オールインワンなのも、忙しい人にぴったりではないでしょうか」。
(3)マニフィーク モイスチュアライジングジェル 230mL
2,750円
<特長>
化粧水・乳液・美容液の効果を得られるオールインワンスキンケア。植物由来保湿成分配合のみずみずしいジェルが肌を潤し、洗顔やひげ剃り後のモイスチャーバランスを整えます。天然香料を配合したフローラルウッディの香り。
<KUBOKIさんコメント>
「肌質を選ばないので、すべての人におすすめできるオールインワンです。ポンプ式なのも使いやすいですね」
(4)クワトロボタニコ ボタニカル スポッツ ソリューション S
5,500円(税込)
<特長>
天然由来・しみ有効成分「コウジ酸」を配合した、メンズ向けしみケア美容液。今あるしみの進行を食い止めながら、将来のしみも未然に防ぐべくアプローチします。コウジ酸をサポートする4つの植物エキスを配合。肌への浸透力が高い乳液タイプ。
<KUBOKIさんコメント>
「天然由来成分が配合されており、とても上質な製品だと思います。質感がサラッとしていて使いやすいのもポイント。同じブランドの日焼け止め『ボタニカル オイルコントロール & UVブロック』も、被膜感がなくおすすめです」。
(5)uno スキンモイスチャー3D マスク 28mL×3枚入り
1,078円(編集部調べ)
<特長>
独自のテトラバリア成分(緑茶エキス、チオタウリン・グリセリン、タマリンドガム)配合で、男性の硬い肌をモチモチ肌に導きながら、オイルコントロールパウダーが皮脂の多い男性肌のテカリを防ぎます。シートマスクに慣れない男性も使いやすいツメ付きで、使いやすさにこだわった設計です。
<KUBOKIさんコメント>
「貼りやすく、口元にもぴったりフィットするシートマスクなので、初心者の人には特に使いやすいでしょう。シートマスクは、乾燥肌、混合肌、オイリー肌すべての肌に有効。ぜひ使いこなしてください」。
オーガニックに興味がある人必見!
Cosme Kitchenを使いこなす
オーガニック・ナチュラルコスメのセレクトショップのパイオニア
環境を意識したライフスタイルが浸透し、化粧品にも安心・安全を求める人が増えるなか、ここ15年ほど大きな盛り上がりを見せているのがオーガニックコスメです。株式会社矢野経済研究所の調査でも、2021年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比110.9%の1,642億円と推計され、堅調に推移しています。
オーガニックとは、化学的に合成された農薬や肥料等を使わず、自然の力を活かして行う有機栽培方法のこと。日本において「オーガニックコスメ」「ナチュラルコスメ」の明確な定義は存在しませんが、オーガニックコスメとは一般的に、「COSMOS(Cosmetic Organic Standard)認証」などオーガニック認証機関の認証を取得したものを指す場合が多いです。これらには、成分や抽出法、パッケージなどに厳格な決まりがあり、守らないと認証は得られません。
オーガニック・ナチュラルコスメのセレクトショップとして、もっとも人気があるといっても過言ではないのが『Cosme Kitchen(コスメキッチン)』です。全国の商業施設に64店舗を構えるほか、WEBストアも展開しています。
人気の理由のひとつは、独自の商品選定基準を貫いていることです。
「可能な限りオーガニック原料や天然由来原料を使用しているもの」「シリコン、合成着色料、合成ポリマー、石油由来界面活性剤の配合率が合計5%以内」「パラベンを使用せず、可能な限りオーガニック認証機関に認められた防腐剤を使用しているもの」という配合成分へのこだわりや、「マイクロプラスチックビーズを使用していないもの」という環境への配慮、「可能な限りサステナブルな原料を使用していること」という信頼性の追求を掲げています。
それでいて、ツヤも発色もよいメイクアップコスメや使用感のよいヘアケア、香りのよいスキンケア、使っていて気分が上がるパッケージデザインの商品を多く取り揃え、「人や環境に優しいだけではない」、ユニークなラインナップが支持を集めています。
コスメキッチンは男性の利用者も多くいます。「WEBストア全体の男女比は3対7。男性のお客様の増加率は、23年1月に一時期増えた以外は横ばいなのですが(データ抽出期間は22年1月~23年6月)、25~44歳までの男性が半分以上を占めています。18歳~20代前半の若年層は増加傾向です」(コスメキッチン広報担当者)。
コスメキッチンには、男性向けのアイテムや性別を問わず使えるコスメがたくさんあります。メンズスキンケア、ヘアケアはもちろんのこと、ハンドケア、デオドラント、スカルプブラシまで、オーガニックとは思えない品揃え。
今回は、男性から人気の高いアイテムを紹介してもらいました。
(1)F organics モイスチャーローション 150mL
4,180円(税込)
ヒアルロン酸の5倍以上の保湿力を誇る「サクラン®」配合。肌のキメを整え、ハリとツヤのある肌へ導きます。乾燥による肌荒れを防ぐ「オオヒレアザミエキス」、年齢を重ねた肌の美しさを助ける「ダマスクローズウォーター」、うるおいを与える「ザクロ果実エキス」、肌荒れを防ぐ「フランキンセンスオイル」も配合しています。
(2)BRIEFING UVプロテクトミルク 60mL
3,850円(税込)
ゴルフウェアなども展開するブランドから、初となるコスメが発売。SPF50+、PA++++と、真夏の屋外レジャーでも耐えうる強力な日焼け止め。天然由来成分100%。ノンシリコン処方のウォータープルーフなので汗にも強く、長時間のスポーツや外出時にも向いています。ノンケミカルでも白浮きしにくく、軽く伸ばしやすい上にさらりとした仕上がり。クレンジング不要で、石けんでオフすることができます。
使用感や製品への好みだけでなく、「環境へのこういう取組みが応援できる」「天然由来にこだわる姿勢に共感する」という動機で商品やメーカーを選べるのが、オーガニック・ナチュラルコスメの面白さです。
信念を持って扱う商品を選び、メッセージを発信するコスメキッチンだからこそ、出会えるプロダクトがあるのではないでしょうか。
自分のスタイルを見つけたい!
おしゃれバーバー活用術
「かっこいい男」を追求する、バーバーに熱視線
近年、おしゃれなバーバーに人気が集まっているのをご存知でしょうか。実際、これまで美容室で髪を切っていた男性がバーバーに足を運ぶようになってきています。背景には、刈り上げスタイルやツーブロックといったトラディショナルなヘアスタイルが流行っており、これがバーバーの得意とするスタイルだという理由があります。
また利用客としても、「顔剃りをしてもらえる」「女性客に気兼ねする必要がない」という心地よさがあるというのも大きいようです。個性的な店主が独自のスタイルを発信し、カルチャーの発信拠点となる。そんなバーバーが続々と生まれています。
ここでは、おしゃれなバーバーをフル活用して自分らしい髪型を見つけるヒントを、有楽町の「LUDLOW BLUNT(ルドローブラント)」に伺いました。
自分のスタイルを貫く人こそ、おしゃれバーバーを使ってほしい
阪急メンズ東京7階に店を構える「DOUBLE RL WITH LUDLOW BLUNT(ダブル・アールエル・ウィズ・ルドローブラント、以下ルドローブラント)」は、NY発のバーバーサロン。本店はブルックリンにあり、数々のセレブリティが顧客として訪れるそうです。日本には大阪本町と有楽町の二店舗があります。
隣接のラルフローレンとコラボレーションをしたという有楽町店の店内は、まるで1920年代のアメリカのバーバーに足を踏み入れたような、レトロな空間が広がります。タイル張りの床や、優美な曲線を描くモノトーンのチェアは唯一無二。大人に似合う、落ち着いていて洗練された雰囲気が魅力です。
ルドローブラントが得意とするのは、ベーシックで男性らしい「アイビーカット」。ビジネスでもプライベートでも、シーンを問わず似合う髪型であり、年齢も問いません。「ただし、30歳代以上のオトナ世代はぐっと映えると思います。髪質を選ばず、スタイリングもしやすいのでおすすめです」と話すのは、トップスタイリストの安藤喜次さんです。
実際にお店の利用客も、30〜40歳代を中心に20〜50歳代のビジネスマンが多いそうです。スーツをビシッと着こなす経営者も数多く訪れます。
バーバーを使いこなすにはどうすればいいのでしょうか?
「『髪がうまく収まらない』『スタイリングがわからない』という方は、ぜひ相談してほしいですね。あまり難しく考えず、スタイリストに任せてほしいと思います。そのうえで、自分の世界観を持っている方、自分のライフスタイルを貫いている方は、かっこいいバーバーにぴったりではないでしょうか」。
バーバーはシェービングを行うこともあり、スタイリストとお客の距離感がより近いといえるかもしれません。「ひげ剃りの後、お客様のお顔がパッと明るくなり『スッキリした!』という様子がわかるのが嬉しいです」と安藤さん。リラックスしながら、スタイリストとの密なコミュニケーションを取るのも楽しいでしょう。
個性あふれるバーバーで、「男のカッコよさ」を追求してみませんか。
スタイリスト
安藤喜次さん
Tips-1/ルドローブラント直伝! シェービングのコツ
「毛の流れに対して正反対となる180度からカミソリを当てると失敗します。90度ぐらいがベストです」と安藤さんがアドバイスするように、毛とカミソリの角度が大切だそうです。
そのほかにも、
・肌をよく蒸す(電子レンジで蒸しタオルを作る)。乾燥は厳禁。
・泡は水分が多くても少なくてもダメなので、洗顔用ネットを使うと簡単。
・剃る際は肌を引っ張り、たるみをなくすようにする。
・一枚刃は失敗のもと。三〜五枚刃を使う。
・シェービングのあとは化粧水+乳液またはアフターシェーブローションでケアする。
といったコツを教えていただきました。
Tips-2/ ルドローブラントオリジナル製品でスキンケア
お店では、シャンプーやトリートメントなどのヘアケアやスキンケアなど、オリジナルのグルーミングアイテムを販売しています。
DOUBLE RL WITH LUDLOW BLUNT(ダブル・アールエル・ウィズ・ルドローブラント)
東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京7F
電話番号:03-6252-5433
営業時間:平日12:00~20:00、土曜・日祝11:00~20:00
定休日:不定休
カット価格/6,600円~
https://ludlow.co.jp/
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