Harmony 2015年9/10月号
バラエティ自動車ジャーナリスト 小沢コージの

G’s ここがイイ!

「SPORTSCARS for ALL」を合言葉に、5年前にスタートした「G’s」に試乗。トータルチューニングを施したクルマには、エコだけでなく楽しく走れるクルマを目指すトヨタのメッセージがこめられていた。

私の心配は杞憂だった

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正直に言って、今後どうなっていくのか、勝手に本気で心配していた。

今回乗った新型「G’s ハリアー」もそうだが、走りはビックリするほどいい。カスタムの中身を考えると値段も絶対に安い。自分でやってみると分かるが自動車のカスタマイズはやたらとお金がかかるからだ。タイヤ、ホイール、ダンパー、スプリング、ブレーキキャリパー、ブレーキディスク、ホース類……。エンジンまで手を付けると際限がない。どれかひとつよくすると、全体の性能を上げなくてはならないのであっという間に数十万、数百万円と膨らんでいく。

ところがG’sはエンジンにこそ手を付けないものの、今やベース車+30万〜40万円で済む。どれも自分で付けていくと100万円はかかるようなメニューだ。しかもG’sは、正規のトヨタディーラーで購入できるので保証が付き、中古車として売った場合、カスタム分だけ査定額が上がる。自分でイジった場合は「改造車」と見なされて査定額が下がるくらいなのに。

しかし、純粋に市販車ビジネスとして考えると、パワーも燃費も上がらないのに30万〜40万円も上乗せがかかるG’sがそうそう売れるとは思わない。手間と値段のわりに利益もあまりないと思われる。

つまりG’sは、まさしくトヨタが純粋に「いいクルマ」を目指して作った思い入れの塊なのだ。果たしてどこまで本気か心配していたがそれは杞憂だった。トヨタのモータースポーツ本部には、是非とも頑張っていただきたい。

G’sの詳しい情報・お問い合わせは、toyota.jp へ。

おざわ こーじ◎バラエティ自動車ジャーナリスト。
1966年神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、某自動車メーカーに就職するも半年後に退職。「NAVI」編集部を経て、フリーに。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『ドライブ上達読本』『クルマ界のすごい12人』など多数。