「写真をもっと上手く撮りたい」……。日々切磋琢磨する写真愛好家へ、
Harmonyで活躍中のカメラマンが実践的なテクニックを指南します。

Harmony 2016年8月
本格派のための写真講座

花火を美しく撮影する

文/写真・坂本道浩

第5回は夏のイベントの主役、打ち上げ花火の撮影方法です。

準備

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  • 三脚(必須)
  • ケーブルレリーズorリモートコントローラー(必須)
  • レンズは標準系ズーム、広角系ズーム
  • 手元を照らす携帯ライトなど
  • 黒い板、黒紙、団扇を黒く塗ったものなど
  • アウトドア用携帯椅子など

基本撮影

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打ち上げ場所の風上で、花火と程よい距離を保てる場所を探します。およそ400m〜500mほどが適していると言われています。そのような所には常連のカメラマンさんが三脚をたてているはずです。丁重に声がけしてひとり分のスペースを確保するようにしましょう。撮影は立ち姿勢のまま三脚を使用するので後方にいる花火見物客の邪魔にならないような配慮もしたいものです。

良い場所を確保できたら明るいうちに準備を進めておきます。ごくまれに近距離の被写体ではそのつど合わせますが、通常ピントは無限大で撮影。ピントリングを無限大に合わせたらテープなどで固定することで撮影中にずれる心配がなくなります。手ぶれ補正機能などはOFFに、書き込み速度が遅れるためノイズを軽減する機能もOFFにしてください。ホワイトバランスは太陽光モードで試し、必要があれば好みの色味へ微調整します。露出はマニュアルモード、シャッター速度は、押している間シャッター幕が開くB(バルブ)に設定します。絞りはf11前後、ISOは100に合わせます。スターマインなどの短い時間に複数発打ち上がる仕掛け花火の場合、露出オーバーを防ぐためさらにf16~22に絞ります。

さあ撮影開始です。左下の写真をご参照ください。
①発射された花火が空高くのぼり始めたらシャッターを押します。
②大輪が開き幾重も色彩を放し終えたらシャッターを閉じます。
発射でシャッターを開き、大輪が開き終えたらシャッターを閉じます。これが基本の露光時間です。このように長時間露光にすることで光を線でとらえて光の軌跡として記録します。その結果、豪華な色彩や大小さまざまな光の輪を写真に収めることができます。

多重露光

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慣れてきたら、複数の花火を重ねて多重露光し、1輪では寂しかった写真を華やかにすることができます。用意した黒い板や黒団扇などで、1輪が消えたらレンズの前を覆い遮光します。新たな1輪が上がったらレンズ前から外し、消えたらまた覆います。こうすることで、1枚の写真の中に複数の花火を収めて露光できます。花火撮影ではスタンダードなテクニックなのでぜひお試しください。

さかもと みちひろ◎東京都生まれ。写真家。広告、エディトリアル、企業PR誌等で臨場感のある旅取材撮影を得意とし、これまで30数カ国に渡航。情感を捉えた写真に定評がある。